大人半数がワクチン接種、2か月ぶりに学校再開した3月のイギリス

大人半数がワクチン接種、2か月ぶりに学校再開

3月のイギリスではコロナ関係でいうと希望を感じるニュースが目立った気がする。

ワクチン事業が引き続き迅速に進んでいて、大人の半数がすでに1回目の接種を終えた。

昨年12月8日に他諸国に先駆けて新型ウイルスのワクチン接種事業が始まってから3月19日までの間にすでに2680万人が第一回目のワクチン投与を受け終え、そのうちすでに210万人が2回目の投与を終えるという異例のスピードでワクチンプログラムが進んでいる。

3月19日にはジョンソン首相もワクチンを接種。丁度その時期にEU諸国で安全性を疑問視していたアストラゼネカ製ワクチンをあえて接種することでアストラゼネカワクチンの安全性をアピールしていた。

・50歳以上へ接種がスタート

イギリス国内では現在すでに50代への接種が始まっていて、50代前半の友達たちから「ワクチン接種の案内がきて予約を入れた」、「接種してきた」といった話を聞く機会が増えてきた。「もうここまできているのか!」とイギリスのワクチン接種のスピードを改めて目の当たりにしている最中だ。

そして40代の筆者は「そろそろかなあ」とお呼びがかかるのを待っている。4月に入ると生産の遅延によりワクチン事業のスピードは多少緩むといわれているが、それでも「7月31日までにイギリスの成人全員にワクチンを提供する」との公約はこのままいけば達成されそうで、筆者も5月頃には接種になるだろうと期待込みで予測している。

通常ならワクチン接種自体に懐疑的でまずは様子を見ようとのスタンスをとる筆者だが、イギリスでの尋常でないコロナ感染拡大と被害を見てきた今は、副作用への怖さや不透明さはぬぐえないながらも「ワクチンを打つことで感染が抑えられ、日常に戻れるなら」という気もちの方が強く、ましてやワクチン接種をすることで日本にいる家族に会いに行きやすくなるのなら早くワクチンを打ってくれという気もちになっている。

・ワクチンの副作用

筆者の友達のなかでも1回目のワクチンを接種した人が増えてきた先月くらいから、ワクチンにまつわる個人的で断片的な経験談を聞くことが多くなった。70代以上の義家族やご近所さんが接種したときは副作用のことはそこまで耳にしなかったが、接種年齢が下がってきた昨今は「接種した日は一日中しんどかった」「倦怠感が3日くらい続いた」といった副作用の話を今まで以上に聞くようになった。2回目の接種の後の方がしんどくなりやすいなんて噂もチラホラ……。自分が接種する日はしんどくなっても大丈夫な体制を作っていこう、なんて先走って心の準備をしている。

・先生や中学生以上の子どもは週に2回のコロナ検査

今月のロックダウン段階的解除に向けての一番始めのステップが3月8日の学校再開だった。12月にクリスマス休暇に入ってからイギリスの2学期にあたる1月から3月まで、子どもたちは2ケ月もの間再びオンラインでの授業が続いていて、子どもたちもそれにつき合う大人の体力も精神力も限界にきていたので、学校が再開したことで救われた人は多かったはずだ(筆者もその一人)。学校再開によって社会はいっきに明るさを取り戻した感があった。

学校再開前には、先生や中学生以上の子どもたちに新型コロナウィルス検査が実施された。学校が再開してからも新型コロナウィルスの感染の有無を迅速に検査できる「ラテラルフローデバイス」と呼ばれるキットを使って、週2回にわたって先生も中学以上の子どもたちも検査をし続けている。保護者にも検査キットが配られるが、いつでも検査が受けられる今の体制はわたしたちの一番の安心材料となっている。

頻繁に検査ができてラテラルフローデバイスの検査は検査結果が30分でわかるので、無症状だけれど感染しているケース(イギリスの感染者の3分の1はこのパターン)を素早く洗い出して感染拡大を押さえられているし、校内で陽性者が出ても今までのように陽性者がいる学年全員が2週間自主隔離をしなければいけなかったシナリオを回避できている。昨年9月に学校が再開されたときから3回目のロックダウンが始まるまでは、「校内で誰かが感染したらいつまた学校が閉まるかもしれない」との恐怖におびえていた数か月前と比べると感謝したくなるほど状況が進化していて、本当にありがたい。

・しんどい状況だけど(だからこそ)人助け、盛んな慈善事業

3回目のロックダウンは寒くて暗い冬の真っ最中だった。というわけで気持ちは重く気分は晴れず疲労はピーク……という側面は確かにあったが、それだけだったかというとそうでもなく、今まで以上に「ファンドレイジング・チャレンジ」が盛んに行われていた。

「ファンドレイジング・チャレンジ」とは、決めた距離を走る・歩くなどして自分の体力と精神力に挑戦しながら、それに応援してくれる人から寄付金を集めて何かの団体や活動に寄付をすることだ。

息子の友達は兄弟で「220キロメートルラン」に挑戦。毎日走って合計220㎞を走り切るというチャレンジを掲げ、目標寄付額1000英ポンド(約15万円)を達成した。雨でも雪でも走り続けている様子を母親が写真に撮り、毎日コメント付きで毎日アップしているのを見て胸が熱くなりながらわたしも寄付を通して応援した。彼らはファンドレイジング・チャレンジの寄付先にメンタルヘルスに苦しむ子どもたちを助ける団体を選んだが、「目標があったことでうちの子のメンタルヘルスこそ助けられた。ありがとう。」とその母親が語っていたのが印象的だった。

娘の友達も兄弟と一緒に「1万5000キロメートル、チャリティーウォーキング」を実施した。目標額を超えて集まった2300英ポンド(約35万円)をロンドンの総合病院の小児医療へ寄付したが、よく話を聞けばその兄弟の母親が現在11歳になるお兄ちゃんを妊娠していたときに大動脈縮窄と診断され、お兄ちゃんは生後5日目にして6時間にもおよぶ心臓の手術をして一命を取りとめたという。お兄ちゃんの命を助けてもらった恩返しに兄弟は毎年その小児病院に寄付活動を行っているそうだが、今年はすでに目標額を達成できたのでさらに目標距離を伸ばして今は「合計30万キロ ウォーキング」に挑戦している。

3回目のロックダウンが段階的に解除されている今、この数か月を振り返ると、社会がしんどいからこそ身に沁みる人間のあたたかさや底力を、ロックダウン中の子どもたちに教えてもらった。「与える」ことで自らが「与えられる」という素晴らしいお手本を見せてもらった気がする。

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