小股千佐さんのこと。命のこと。

3年前の夏に、ある方の本作りをお手伝いさせてもらったことがあります。

その本 WE LOVE エスニックファッション ストリートブック (地球の歩き方Books)が出版したとき、本郵送しますね、と彼女は連絡をくれました。

私はその時ブエノスアイレスに住んでいて、わざわざアルゼンチンまで郵送してもらうのは大変なので、そして自分はあと数か月したら日本に行きます。だから、日本の住所に郵送をお願いしてもいいですか?と返事をしました。

送ってくださった著書を受け取ったのは、2009年の秋でした。本のなかには、手書きでお礼の手紙が入っていました。

そして、その後すぐに、本当にすぐに、彼女が亡くなった知らせを受けました。

彼女の名前は、小股千佐さん。

ライター名は、平林豊子さんです。

その時彼女は34歳。

私のような仕事のスタイルをしていると、メールでのやり取りだけで一つのプロジェクトを完結することも多くて、関わった方がどういう状況を抱えておられるのかが分かりにくい。

でも、今から思うと、ああやってやり取りをしていた時も、千佐さんは痛みに闘う日も多かった・・・それがわかる。『大事なことは目に見えない』 ほんとにそう。

メールでいつも明るくやり取りをしてた、その合間あいまで彼女はかなり痛みやしんどさと闘ってたんです。でもそんなこと一微塵も見せなかった。その時の彼女の状況や心境に思いを寄せると、彼女の芯の強さ、弱音をはかずに限られた時間を全うしつくすとの決意が見えます。

私たちは得てして闘病中の人や限られた命だとわかっている人に、強さをもらいます。

なんだか変ですね。

元気を生み出して分けるべきなのは、私たちの方なのに。

それからしばらくして、ご両親やパートナー、親しい仲間の方たちが千佐さんの生きた証を残すべく、  『足跡』 を制作されました。

『足跡』は、涙なしでは読めないです。でも、ご両親や親しかった方たちは、この制作を通じて、私よりももっと大きな悲しみや切なさに向き合いながら完成させたんだと思って、だからわたくしも本当に何度も中断しながら、泣きながら読みました。

その、小股千佐/平林豊子さんの「生きた証」がまるごと詰まった「追悼」「仕事」「日記」「日記のコメント」と四冊から成る大作 『足跡』 は、アマゾンでも売っていますが、オンラインで無料で読めるようです。

私はこれを読んでから、千佐さんは天国に行かれたんじゃなくて「旅立たれた」んだと思うようになりました。旅が好きで旅とともにある人生こそが彼女が選んだ人生。その旅を、それまでとは違う形で楽しまれてるんだと思うようにしました。

「旅とともにある人生を」は千佐さんのエッセイで私が一番好きなものです。

千佐さんが天国に行かれたことを知ってから1週間後に、私には子どもが産まれました。

子どもが生まれてから、わたしは初めて、自分の命が惜しくなりました。それまでは、尽くすだけ尽くしたらいつ終わっても後悔ない、と思っていた命に、執着が出ました。この子との時間を守ろうと思いました。

そんなこともあって11月には、命のことをよく考えます。

 

千佐さんが限られている命とわかりながらも上を向き、強く生ききった姿勢を自分なりに感じることで、今まだ命を与えられている自分が何をすべきかをみようとしています。

社会のために何かをするのを「将来」に延ばすのはやめようと思ったのは、こういうことが関係してます。千佐さんの強さ、思いやり、見習いたいです。

ちささんの著書。

着こなせ!アジアンファッション(WE LOVE ASIAN FASHION) (地球の歩き方Books)

WE LOVE エスニックファッション ストリートブック (地球の歩き方Books)

 

 

小股千佐さんのこと。命のこと。」への2件のフィードバック

  1. 小股千佐の父、小股憲明です。
    『足跡』編集時には、心のこもった追悼文をお寄せいただき、まことに有り難うございました。

    椰子ノ木やほいさんから教えていただいて、家内ともども、このページを拝見しました。
    その後も変わらずお元気でご活躍の様子、お慶び申しあげます。また、千佐の命日を覚えていてこうして偲んでくださり、たいへん嬉しく思います。
    私どもも、折に触れて千佐のことを思い出しています。

    千佐が逝ったころにお生まれとのことですから、お子様ももう3歳になられたのですね。言葉がたくさん出てきて、可愛い盛りですね。
    私どもの孫(千佐にとっては姪になります)も3歳半で、可愛い盛りです。

    お子様の健やかな成長と、貴女さまのますますのご活躍を祈りあげています。

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    • 小股憲明 さま、
      心のこもったメッセージをいただいて、本当にありがとうございます。
      千佐さんが、その生き方で教えてくれた「強いこと、優しいこと」、これを色あせることなく自分のなかにも刻みたい、彼女の生ききった姿勢を他の人にも知ってほしいと
      思いました。千佐さんの魂は、千佐さんに関わった私たちもしっかり受け継ぎます。
      千佐さんの生をこの世に送り出してくださったご両親にも感謝でいっぱいです。

      千佐さんが宇宙への旅に出られて3年が経ちますね。
      今はどこでどんな楽しいことに遭遇しているのかな、って思います。
      宇宙から、姪ちゃんの様子も眺められているのでしょうね。

      お父さまもお母さまも、ご健康でお幸せでいてください。
      それが千佐さんにとっての一番の望みだと思います。

      感謝を込めて
      大田朋子

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